―― 1947年に14歳で塗装事業を起こした近藤成章氏が社長、その兄で16歳だった重三氏が会長となって創業し、「何んでも貸します」のキャッチコピーで知られるように、その後レンタル・リース業を核に発展してこられた近藤産興。その三代目社長への就任おめでとうございます。いよいよ代替わりを感じさせますね。
近藤 そうですね。二代の前社長は創業者2人の弟で、社員第一号として会社の礎を築いてきた創業1・5世代でしたが、私は重三の第2子長男ですから。 
 ただ、私が近藤産興に入ったのは30歳の時で、それまでは自衛官をしていました。高校の時に「国を守る立場になりたい」と防衛大学校に進学。そこで土木工学を専攻し、そのまま陸上自衛隊施設課幹部に任官しました。民間企業でいう土木建設業者です。
 ところが、私の健康区分が「強健」であったことなどから幹部レンジャー訓練を受けることになり、職種の枠を超えて日米合同訓練、部隊などの本部幕僚勤務に携わることが多くなって、これがのちに民間人としての勤務に大いに役立ちました。
―― 転職の経緯は。
近藤 定年退官まで自衛官として勤めるつもりだったのですが、近藤産興で「頑丈な人間」を探していて、顧問税理士が私の存在に気づき、「お身内に国家公務員ですごいのが一人いますよ。声を掛けては?」と父に言ったようです。
 しかし辞めることを申し出たところ、自衛隊の方は「出すわけがないだろう」「そんなにお前が必要なら書面で持ってこい」となり、当時私は北海道の部隊にいたので、そこに父が書いた手紙が届いて、そこから〝お江戸〟の陸幕に回り、「しょうがないな」となるまでに1年半くらいかかりました。
 そうして当時の陸幕、第7師団司令部、第7施設大隊本部の皆さんに「早く社長になれよ」と見送られ、こちらに来てからは社員や取引先の皆さまに「次期社長」と言われ続けること34年と6ヵ月。ようやく番が回ってきました。 
―― 入社後の仕事は。
近藤 入ったのが1991年の年末で 最初の仕事は産廃事業施設、飛島工場の更新でした。
―― ちょうど日本がリサイクル社会への転換を図り、法整備も進んでいった時期ですね。
近藤 92年に廃掃法(廃棄物処理及び清掃に関する法律)の大改正があり、特別管理産業廃棄物というジャンルができたり、マニフェストという廃棄物の管理票制度が始まったりした時期で、法令適用する組織を作らなきゃならないし、許認可の変更手続きもいろいろ必要でした。でも、幸い自衛官時代に法令に基づいた仕事が結構あったので、そうした仕事は全然苦じゃない。グッドタイミングで私が入ったと言えます。
 施設の更新は結局紆余曲折あって95年に完成。運用ルールなどを決め、運転できる従業員も採用し、もう私がそこにいなくても大丈夫となったことで部署を異動し、会社全体の営業を行っていくとなりましたが、東日本大震災が起きた2011年、再び飛島工場長に返り咲きました。
 イベントだとか建設業関係のレンタルは非常に悪い状態になってしまいましたが、廃棄物処理の仕事は逆に増えるようなご時世になってしまったものですから、廃棄物事業で高利益を出して会社全体を支える形となったわけです。
―― ところで社長就任のSNS動画の中で、スキー業者になることを考えた時期があったと…。
近藤 父が2015年に亡くなりまして、そうなるとちょっと会社に居づらい感じになるわけです。私はスキー指導員資格を持っていまして、自衛隊の千歳勤務時代には地元新聞社主催のスキー教室に講師として派遣され、こちらに来てからもスキー連盟に関わっていたので、知り合いのスキー事業者から「いっしょにやらないか」というお声掛けもありましたから。しかし社員たちの支えもあって仕事を続けていくことができました。
―― 来年80周年ですね。
近藤 経営において必ず達成しなければならない目標は「継続」で、それにはお客さまに信頼され続けて、利益を上げ続けることが必要です。また社員が会社に勤める目的は「幸福追求」だと私は思っており、それには周囲から必要とされ愛される「心」の幸せと、報酬(お金)という「物」の両方が必要でしょう。
 そうしたことを踏まえ、誰が経営してもつぶれない、継続できる会社にしていきたいですね。そのためには社員が5年、10年後の自分を想像し、今何をすべきか考えて行動する自律自立した社員が半分はいる会社にしていきたい。社員と共に、お客さまに真に役立つ会社作りを継続していきます。
―― ありがとうございました。
国道23号線沿いにキャッチフレーズの看板が並ぶ本社
国道23号線沿いにキャッチフレーズの看板が並ぶ本社



■会社概要


本社:名古屋市南区浜田町一丁目10番地
URL:https://www.kondo-sanko.jp/
創立:1947年
資本金:1億円
事業内容:イベント企画の立案から会場設営・撤去までの総合サービス、イベント及び生活関連用品・機器の総合レンタル・サービス、
建設現場における仮設機材・機器全般の総合レンタル・サービス、塗装・防水・建築営繕工事(リフォーム)の請負、機械設備の製作及び整備・メンテナンス工事等の請負、産業廃棄物処理事業、LPガス供給販売など