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水野和夫の経済展望―マクロ視点で見る世界と日本―

Vol.22

ドバイ原油の独歩高が意味するもの ―ドンロー主義の現実化―

2026.4.1更新
 米国・イスラエルのイラン攻撃で原油価格が急騰している。その影響は交易条件の悪化を通じて所得の減少にとどまらず、国際秩序崩壊の危機に陥り地域秩序を模索する動きがでてくる可能性がある。 2月28日に始まった米国とイスラエルのイラン攻撃は早期収拾のメドがたたず、長期化の様相をきたしている。米CNNは3月10日、イランがホルムズ海峡で機雷の敷設を始めたと報じた。それを受けて原油価格が急騰した。WTI原油先物価格は10日83.45㌦/バレルから16日には94.7㌦へ上昇。とりわけ中東産出の原油の指標となるドバイ先物価格は6日に94.8㌦だったものが、18日には161.30㌦へと急騰した。 資源エネルギー庁の「2024年度エネルギー需給実績」(2025年12月公表)によれば、一次エネルギー国内供給のうち35%が原油、天然ガス・都市ガスが21%を占めており、これに石炭を足した化石燃料への依存度は80%となっている。原油の中東依存度は95%、LNGは10.8%である。原油とLNG合わせて36%は中東から輸入していることになる。石油備蓄は官民合わせて254日で、中東での戦争が長引けば心もとない。ウクライナ・ロシア戦争は4年経過しても停戦に至っていないし、イスラエル・ハマス戦争は停戦までに2年かかった。中東の大国イランとの戦争が短期で終わる保証はない。

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