今池に拠点を置く旅行業者です。大学卒業後に東武トラベルという会社に入社。その後、社内に営業委託の制度ができたので手を上げ、その立場に移りましたが、「どうせなら独立をしたい」という思いがあり、それから少し時間はかかりましたが、2008年1月、42歳の時にこの会社を作って開業しました。
 「ディパーチャー」は出発を意味する言葉で、空港の看板などで見かけたことがあるのではないでしょうか。「〇〇観光」といったわかりやすすぎる社名は嫌だったのと、自分も独立して新たな出発をするので、この社名に決めました。複数形にしたのは、たくさんの方の出発をお世話したかったから。
 客先は企業とか学校、官公庁というような組織が多く、個人は少数。ビル1階で飛び込み客を迎えるカウンター店舗を選ばず、店舗がビルの2階にあるのは、そういう理由です。
 社員旅行などの受注型企画旅行が主力ですが、自社ブランドの募集型企画旅行として「宝塚ツアー」があります。10年以上前に「何か自社商品をつくろう」となったとき、「宝塚をやりたい」という声が社員から出たからです。幸いコンスタントに宝塚に送客できており、利益はそれほど出ませんが、お客さまに当社を覚えていただくための看板という意味合いで継続しています。

引き出しを増やす



 コロナ禍のときは売る商品がなくなり、「何かしなくては」とマスクや消毒薬、縁のあった金沢地域のお土産なども販売。ほとんどは一過性でしたが、自家焙煎コーヒー豆の販売だけはその後も続け、この6月には覚王山に「CozyCuppa」という店舗もオープンさせました。
 そして今年は介護タクシーのコールセンターも始めました。同友会の同じ地区の会員で、介護タクシー事業者の社団法人をやっている方との縁があってのことです。介護タクシーを必要とされる方からの問い合わせを受け、介護タクシー事業者さんにつなぐことをやっていますが、中には〝介護タクシーを使った旅行〟の問い合わせもあり、ほかの旅行会社とも連携してニーズを拡大していけないかなと考えています。

誇りを持てる



 同友会には義理の兄が会員だったことで、独立と同時に入会しました。入っていなかったら、経営指針書なんて作ることもしなかったでしょう。
 いまうちが持っているライセンスは第二種旅行業で、国内旅行の募集ができるもの。海外旅行は社員旅行とかの受注型の企画はできますが、不特定多数に向けての募集はできません。それをするには一種が必要。そこで経営指針書の2030年ビジョンに、「一種取得」を掲げました。高いハードルがありますが、頑張って取りたい。社員も「会社が一種を持っている」となればやりがいも違ってくるでしょう。
 もし同友会に入っていなかったら、どういう経営をしていたのだろうかと考えます。人によってはキレイ事にしか捉えられないかもしれませんが、ちゃんとした儲け方といいますか、お客さまに理解してもらえる付加価値の付け方で利益を出さないといけないと強く思います。そういう仕事をしていると誇りを持っており、社員にもそうした自負を持ってもらえたらいいですね。