八:おい、冬眠している場合か。お前、先の世で「令和7年漢字」に選ばれたらしいじゃねえか。
熊:お陰様で、世間中で「くま?」と呼んでくれてるらしいな。
蔦重:「猫熊」と書いてジャイアントパンダとも言うけど、中国から借りてる奴らを返すので、日の本には一頭もいなくなるらしいぜ。
八:じゃ、左官屋の俺が白黒に塗ってやるよ。どうだ、見世物にならねえか、稼げるぞ。
熊:うるせい(パシッ)。もぅちっと寝させてくれや。
蔦重:ホントに熊公は冬眠するんだな?。
八:いや、酒食らうといつもこうなるんだよ。

3つのカエル化現象



蔦重:またお上の方で争いが始まったな。
八:老中首座の姐さんが勝手をし始めたらしいな。誰に政(まつりごと)を任せるのか、札を入れさせることが急に決まった。
蔦重:自民党と別れた公明党ってのが、立憲民主党ってのと一緒になるらしい。
八:そもそも自民党と別れたってのも吃驚だった。古琴の旦那、どういうことなんすか?
古琴:あれは一種の「カエル化」のようだったな。
蔦重:もしかしてグリムって西洋の作者が書いた、童話『かえるの王さま』ですか。
古琴:さすが耕書堂、よく知ってるね。
蔦重:好きだった相手が突然嫌になって、気持ちが急激に冷めちまうってやつでしょ。でも、日の本では、元の話とはちょいと違うって聞きますね。
古琴:そう。カエル化の話は、先の世では微妙に異なる三つの話になる。一つ目は、片思いの相手に振り向かれた瞬間に、なぜか突然嫌になるって不可思議な心持ちの話だ。また、元の話ではカエルが王子に変わるけど、我が国では逆に王子様が急にカエルに見えてしまう話になる。
蔦重:それが、長年連れ添った奥方やマブ(恋人)が、旦那や彼氏のちょいとした仕草やわずかな言葉で急に気持ちが冷めるって話になったわけか。
古琴:そう、それが二つ目。相手の「ささいな行動」で幻滅するってことだね。
蔦重:相手の飯の食い方や他の者への対応の仕方。中には傘の持ち方が周りの迷惑になっているのに気づかない鈍感さが嫌といったこともあるらしいっすね。
古琴:三つ目は、長年の付き合いの中で、我慢に我慢を重ねていたのが限界に達して、ついに爆発するってやつだ。
蔦重:ってえと、先の世で高倉健って役者が人気になった「任侠もの」の話と一緒ですかね。我慢に我慢、耐えに耐えて、ついにドスを持って卑劣な親分衆に殴り込みをかける。
熊:おっ、有名な「死んで貰います!」って奴か。
八:急に目を覚ますんじゃねえ(パシッ)。
[B:蔦重:つまり公明党は、今まで連れ添った自民党が突然我慢できなくなったってわけではなくて、長年我慢してきたのが我慢できないところまできたってわけか。なので、別れたんだ。
熊:ってえと、世間で流行っている「熟年離婚」に近そうだな。
八:お前のカミさんが一番我慢してんだぞ。お前がクマでなくカエルにいつ見え始めてもおかしくねぇ。
熊:うるせえ(パシッ)。
古琴:公明は、自分たちをないがしろにする自民に嫌気が差したのだろうし、政策的に右寄りで、かつ賄賂問題などをウヤムヤに無視する姐さんは我慢がならなくなったのだろうね。
八:そこで別れたけれど、30年以上前に連れ添った立憲民主党の連中とよりを戻したということか?。再婚相手は以前の相手なのか…。

イランはいらんようで、実は欲しい?



蔦重:ところで、米藩のトラ殿様の暴れ方が酷いっすね。
古琴:たてつくイラン藩は気に食わない。米藩は以前より石油利権のために陰で介入を繰り返している。それまでも米藩の忍び(CIA)が暗躍して、何度も政権を転覆させている。今回も、米藩の忍びが工作をしているとの噂が絶えない。
熊:イランはいらん、ってわけか
八:(パシッ!)
古琴:いや、今の政権は気に食わないが、石油の利権は欲しいということだな。
蔦重:石油といえば、南米の委内瑞拉藩(ベネズエラ)の大騒ぎも、実は石油のためだって聞きますね。
八:突然攻め込んで藩主を拐かしたってやつか。米藩に悪いクスリを運びこむのを止めさせるためじゃねえの?
蔦重:さらわれた藩主に逆らっていた地元の姐さんがノーベル賞(平和賞)とやらを受賞したけど、この賞を欲しくてたまらんトラ殿様に貢いだらしいですね。
八:トラ殿様におべっか使うのは日の本の姐さんに限らないってことか。
熊:江戸ではトラ殿様を野暮な奴と毛嫌いするもんは大勢いますぜ。最初からトラではなくカエルと見ているからな。威張ってふんぞりカエルって。
八:(パシッ!)
蔦重: そればかりか、丁抹(デンマーク)藩の飛び地「緑州(グリーンランド)」という、大きな島も欲しがっているそうですね。日の本の6倍の大きさだとか。
古琴:そう、世界一大きな島らしい。ただし、ほとんど雪と氷で覆われている。
八:なんでそんなところが欲しいんだろ。
蔦重:地下に大量の宝が埋まっているって噂だぜ。
八:小判かい?
古琴:いや貴重な鉱物だそうだ。世界で取り合っている。源内先生が秋田で発掘をしようとした鉱山が地下にあるそうだ。
蔦重:トラ殿様は、中国藩や露西亜藩と張り合っているから、それが欲しくてしょうがないんですね。
古琴:それだけじゃないんだよ。緑州島を乗っ取られると、宝を奪われるばかりか、米藩を攻撃する砦がつくられてしまうかもしれない。なので、それより先に米藩が採掘基地と軍事基地をつくってしまおうということだな。
蔦重:でも、丁抹藩は、米藩とは仲間だったんですよね。
古琴:そう、だから他の友好同盟藩も戸惑っている。
八:もう少し穏便に進めりゃ良いのにな。
蔦重:何やら田沼様がいらっしゃるころに、松前藩を幕府直轄地にしようとしたのに似てるな?。
古琴:これで、今までの仲間だった諸藩に、米藩に対する「カエル化」が起こるのは間違いないな。
蔦重:え、どういうことですか。
古琴:今まで、米藩はいざという時には頼りになると思っていた。だが、トラ殿様の暴れ方を見ていると、もう縁切りしたいのが本音だ。つまり、トラ殿様は、諸藩が「カエル」だと見下して「掌返し」をしているつもりかもしれないけど、実のところは逆だな。
熊・八・蔦重:なるほど、米藩に対する「カエル化現象」が諸藩の中で生まれてるってわけですか。
古琴:そうなんだ。米藩は、諸藩にいつ逆に「掌返し」をされるかもしれんってことだね。
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 毎度の戯れ言・与太話、お粗末さまでございました。