名古屋市北区の黒川に本社を置き、建物の保守点検・管理を行っています。週2回とか清掃員を派遣して共有部分をきれいにしたり、照明の点検とか、給水タンクの衛生面での管理などです。
 たとえばマンション清掃の派遣で生産性を追い求めるのであれば、短時間で何軒も回って掃除することを目指すことになりますが、当社はそうではありません。マンションが建設され、そこの管理を請け負うことになると、半径何㌔以内という範囲でそこの清掃員を応募するという地域密着型の形を基本にしています。 
 今、社員は5人くらいしかいませんが、清掃のパートさんたちは全体で百人ぐらいになります。そしてその7割くらいが60代以上。 60代が40人弱で、70代も同じぐらいいらっしゃいます。高齢者、それも後期高齢者の方の雇用促進に力を入れているような形です。
 また、中には胃がんで胃を全摘出してしまった方などもいます。そういう通常の勤務が難しい人も“働ける場”を探していて、当方としてはその人が働きやすい環境を見つけて仕事を提供していくこともやっています。

ニッチな困り事に対応


 当社は大々的にビルメンテナンス事業を行っているというより、ニッチな困り事への対応、〝建物の救急車〟って僕は呼んでいるのですけど、「困ったな」に駆け付け、解決に向けてのサポートを行っているんです。
 掃除の契約をしているビルオーナーから「これ、壊れたみたいで困っているんだ」といった話が出たときに、「それなら直せますよ」ということをちょこちょこやっていく中で、〝困り事〟に対応する仕事も増えていった感じですね。
 季節の変わり目にはエアコンのメンテナンスも行っています。当社にはその技能を持ったスタッフがいるのでできるサービスです。もちろんうちでは対応できない場合もあり、メーカーさんともタイアップしています。

存在の社会的意義


 中小企業家同友会には40歳の時に入会し18年になります。それまで入っていたJC(青年会議所)は40歳で現役を退かないといけないので、「暇になるでしょう」みたいな感じで知り合いの経営者に紹介されました。
 経営者の会はいろいろありますが、同友会は経営指針の作成とか、会社をどういう方向に持っていきたいのかを考えられるのがすごく魅力的でした。ちょうど「会社とは、なんぞや」と悩んでいた時で、「指針書がない会社は会社じゃない」という話もありましたし、いろんな先輩経営者や話をする仲間がいるというのは安心できました。
 同友会に入会してから10年ぐらいたったある日、清掃のパートさんから「この会社があるから働ける場がある」と言われたんです。まあ、渡せる給料は少ないんですけど、「生きがいになっている」ということを聞いた時、「『東海メンテナンス』というのは、高齢者の雇用促進で社会に貢献できている会社なんだ。なくしちゃいけない会社なんだ」と気づきました。
 課題は、私が今58歳ですので、やっぱり事業継承ですね。そこで、私がいなくても継続できる会社にするためのビジョンを社内でも話し合っています。
 当社の社会的な責任がどこにあるかを考えて、次の継承をしていただける方を選びたいですし、それこそ、いざ災害が起きた時のことも考えていかないといけない。この地区に当社が存在している意義を
含めて。
 果たしてどこまでできるかは、日々挑戦というところもあるんですけど。 おかげさまで楽しませていただいています。